『えるふ』:「わかる」を科学する

「わかる」を科学する
えるふ:「わかる」を科学する 著者 三宅なほみ 解説 人の賢さについて考える時のヒントになりそうな認知科学研究を選んで、10回の連載で解説したものです。 発行機関 財団法人ちゅうでん教育振興財団 http://www.c […]
えるふ第1回 知っていることを「読む」
人は、賢い生き物である。その賢さの仕組みを解明し、人がいまよりもっと賢く振舞うためにはどんな支援ができるのかを研究している学問に、「認知科学」と呼ばれる学問がある。このコラムではこれから10回にわたって、この認知科学のト […]
えるふ第2回 「知っていること」の起源
このコラムでは、人の賢さの仕組みを解明する「認知科学」を紹介している。先回は、人が簡単な文字や文章を読むのにも、その人が何を知っているか、つまり知識が影響するという話をした。今回はその続きとして、人が知っていることの起源 […]
えるふ第3回 経験から知識を作る
人は,なんども同じことをやっていると,段々うまくなる。本人は「同じ」だと思っていても実際には少しずつ違った経験を積み重ねている。そういう時,人は,少しずつ違ったたくさんの経験の一つ一つを覚えているのではなく,それらに共通 […]
えるふ第4回 気をつけないと...
人は自分でこうだと思ったものに足をすくわれることがある。このことを「肝に銘じて」いるかいないか、が、人の賢さを左右する。 図1をご覧下さい。第二次世界大戦も終わり近く、ロンドンで観察されたドイツ砲の着弾地点図である。人々 […]
えるふ第5回 「説明できます幻想」と「あなたもわかるでしょ期待」
「大学教授の94%が自分には平均以上の研究能力があると思っている」という話がある。そうだろうね、と思ったあなたはもしかして大学教授?おかしな話だが、この話はどこか説得力がある。おそらくいろいろな職種の人がみな、自分はその […]
えるふ第6回 作り出される記憶
いろいろなことをよく覚えている人は「賢い」ということになっている。そのせいもあってか、人は自分の知っていることを過大評価しがちである、という話を前回したのだが、ではそもそも私たちはどのくらい昔のことまでちゃんと覚えている […]
えるふ第7回 人が話せること
自分の「やりかた」にめぐり合う 難しい問題を解いている時、ほんのさり気ない他人の動作が答えを導き出してくれることもある。ここも良く見ると、結構不思議な人の心の働きが潜んでいる。 ご紹介するのは1931年に報告された心理学 […]
えるふ第8回 「頭の中のもの」をいったん「頭の外」に出してみる
前回、人は夢中になって問題を解いたりしている時実際にはどんなことを考えながら解いていたのか、後からではうまく思い出すことができない、という話をした。しかし、考えている最中に、その時その時で考えていることを少しずつ話してみ […]
えるふ第9回 3人寄れば文殊の知恵?
「3人寄れば文殊の知恵」という。Two heads are better than one. ともいうらしいから英語母語話者だと二人でいいのかな?ほんとうにそうなのか、実験してみた。 まず心理学の教科書に出てきそうないろ […]
えるふ第9回 3人寄れば文殊の知恵? こたえ
9点パズルの答え 直線の一筆書きで以下の9つの点をすべて通るには、9点が作っている「囲い」を破って外に出る方法があります。
えるふ第10回 一緒に考えるということ
前回は、「文殊の知恵」の話をした。その時、9つの点を3回曲がるだけの直線の一筆書きですべて通れというパズルを取り上げたのだが、その答えから行きましょうか?答えは、下図のように、9点が作っている「囲い」を破って外に出る。 […]