工学理解促進プロジェクト 2010年度の活動の様子

工学理解促進プロジェクト 2010年度の活動の様子

担当:工学系研究科 鈴木真二教授
   非常勤 三木功次講師

2010年5月~6月前半

ゼミの概要の説明があり、受講生11人が3つのチームに分かれました。

ゼミ内で、CoREFの三宅教授と斉藤助教により、「協調学習」の手法である「ジグソー法」と「仮説実験授業」を紹介するワークショップ型の講義が開かれました。

各チームのテーマが、以下の3つに決まり、テーマにそって授業の内容や方法を検討しました。授業実施予定校の校長と教師、数人の子どもをゲストに呼び、子どもたちの状況を聞き取るなどしながら、授業案の検討を重ねました。

流束:
熱の移動、運動の移動、質量の移動は、流束という共通のモデルで理解できる。工学的に現象を理解する上での基礎的な概念。
燃焼:
物が燃えるとは酸素と結び付くことであり、燃えるためには酸素と熱、可燃物の3つがそろっている必要がある。
固有振動数:
物にはそれぞれ固有振動数があり、固有振動数と同じ波長の波は増幅されるので橋や建物を壊す原因となる。

6月19日

埼玉県戸田市立戸田東小学校において、同小学校の5年生3クラス全員を対象に90分の授業を実施しました。子どもたちを3つのグループに分けて、3つのチームがそれぞれ以下のようなテーマで授業を行いました。

「スライムが磁石を飲み込んだ ~そこには見えない坂がある~」:
熱、運動、質量の移動をエキスパートグループで学び、その後ジグソーグループを作って、坂(ポテンシャル)という3つの移動に共通するモデルを見つける活動に取り組みました。
「『炎』のチャレンジャー ~燃える科学~」:
紙や木片、スチールウールなど様々な材料を燃やしてその燃え方を観察する実験を通じて、温度と可燃物、酸素という燃焼に必要な3つの条件を学びました。
「めちゃ2 ユレてるッ! ~揺れの力を感じよう~」:
硬さや長さによって固有振動数が変わることを実験で確かめた後、アメリカのタコマ橋の崩壊事故が固有振動数の理論で説明できることを学び、さらに、固有振動数の理論を利用した建物の制震構造を、工作を通じて探求しました。

6月後半から7月前半

 ゼミでは、1回目の授業を振り返り、2回目の授業に向けて、授業案を練り直しました。実験方法や子どもたちにメモ用の紙を活用させる方法が検討されました。

7月3日

 同じく戸田市立戸田東小学校において、土曜日を利用して、同小学校の4年生から6年生の希望者とその保護者を対象に90分の授業を実施しました。3つのチームの授業にはそれぞれ10人前後の参加者が集まりました。

7月後半

 ゼミでは、1回目の授業と比較しながら2回目の授業を振り返りました。

9月25日

 NPO センス・オブ・ワンダーと CoREF の協力により、「スライムが磁石を飲み込んだ ~そこには見えない坂がある~」に対して事後評価活動を行いました。